ブログ開設の所信表明

 1976年に作られた『ベンジー』という映画がある。野良犬のベンジーが活躍する他愛もない子ども向けのファミリー映画だが、ボクが映画ファンになりたての頃に観た作品であり、ボクが映画ファンになったきっかけの一本でもあり、いつまでも子どもの心を失わないボクにとっては、今もお気に入りの1本である。
 このベンジー、野良犬だから飼い主はいないが、いつも餌をくれる町の常連さんたちがいる。ポップコーンをくれるお巡りさんや、カフェの店先で居眠りしている爺さんなどだ。ベンジーは毎朝これらの人々を巡回していくのだが、野良犬だから、それぞれから勝手な名前で呼ばれている。「ブッチ」だったり、「サム」だったりといった具合だ。「ベンジー」と呼んでいるのは、最初に立ち寄るチャップマン家だけだ。でも、ベンジーは野良犬なんだから、それが当たり前なのである。
 ロードショーから数年後、この作品がテレビの洋画番組で放送された。当然吹き替えだ。ホームビデオなどなかった時代のことである。映画館で胸躍らせた『ベンジー』がまた観られるとあって、ボクは楽しみにこの放送を観た。そして、愕然とした。野良犬のベンジーを、爺さんも、お巡りさんも、おばさんも、町中の皆がみんな「ベンジー」と呼ぶのだ。
 子ども向けの映画だから子どもにも分かり易く……という配慮だったのだろうか?
 いやいや、ちょっと待ってくれ。アメリカ人の子どももこの映画を観ているのだ。子どもだからって理解できないはずはない。それとも、まさか、日本人はアメリカ人よりもバカなのか?
 今のぼくならこの問いに答えることが出来る。
 答えは、イエス。
 日本人はアメリカ人よりもバカだ。少なくとも映画に関しては。しかも、著しく劣る。

 斜陽と言われて久しい日本の映画産業(産業とは呼べない規模ではあるが)。シネコンの影響もあってか、最近の日本の映画人口は下げ止まっているようだが、これはアベノミクスの恩恵が我々一般庶民にまでトリクルダウン(滴が落ちてくること)してきていないからだ。要は映画館が『安近短』の暇つぶしの場になっているだけのことである。だから、民放各局ヒモ付きの2時間ドラマの延長のような作品ばかりが配給されるのである。各局は放送外収入を得んがため、バラエティ番組や時には報道番組まで使ってジャカジャカ宣伝しまくるのである。かくして、ハーメルンの笛に誘われるネズミよろしく、映画館におびき寄せられた視聴者たちは溺れ死んでいくのである。比喩ではない。視聴者の多くは脳死しているとしか考えられない。なぜなら、視聴者はテレビで宣伝されるクソばかりを有り難そうに押し戴き、本当の名作や力作には見向きもしないのである。邦画ばかりがヒットして洋画がヒットしないと言う現状を『邦高洋低』というが、まさしくここに原因がある。
 日本の映画業界が斜陽なのは、映画の需要者たる映画観客のレベルの低下にも大きな一因がある。映画観客の大半は、糞も味噌も見分けのつかない糞テレビ視聴者になってしまっている。
 こんな現状を少しでも正したい。そんな思いから、このブログを立ち上げました。敢えて上から目線で言わせてもらいますが──、
 当道場から破門されないよう、しっかりついてきて欲しい!
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

辰之介

Author:辰之介
映画ファン歴40年。
映画やドラマを観る日本人の審美眼を真剣に憂える。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる