バルス祭り

 ベーブ・ルースの逸話だったか。手術が怖いと言う少年を勇気づけようと、サプライズで病院を訪れ、約束のホームランをかっ飛ばす。もしかしたら王貞治だったかもしれない。いずれにせよ、ボクも頑張るから君も頑張れと言うこの美談は、誰もが知るエピソードであり、パロディーやコントを作る際の鉄板のテンプレートとなった。
 今日(5月13日)の14時から始まった舛添要一東京都知事の釈明会見を見ていて、『ごっつええ感じ』でやっていたダウンタウンのコントを思い出した。病気の少年ハマダくんを『世界一さん』のマツモトが見舞うというコントだ。ハマダくん憧れの『世界一さん』は、いかにして世界一をキープしているか、その苦労話みたいなことを延々と語って聞かせてくれるのだが、この世界一さんはいったい何の世界一なのかは全く説明されない。それでいて、その世界一の価値観が共有されていると言う不条理さというかナンセンスが出色だった。
 で、舛添だ。
 会見の中でやたらと「東京を世界一の都市にするために」とか言っている。
 何が世界一だ? 何の世界一だ?
 東京大学を首席で卒業した東京都知事の舛添要一は、特権意識と選民意識のカタマリなんだろう。彼の中には、「世界一の都市東京」なんだから、そのトップリーダーであるワタクシ舛添には、ファーストクラスに乗る権利があるし、ホテルだって当然スイートルームに泊まるべきだという意識があるのだろう。その世界一の都市東京を更に世界一にするために俺は頑張ったんだから、その業績と比較すれば、ファーストクラスやスイートルームなんざぁ安いもんじゃないかという意識もある。
 しかも、あの特権意識と選民意識のカタマリは、クレヨンしんちゃんのマンガ本にも領収書を取るほどの始末屋ときている。(始末屋とは、良く言えば倹約家という意味だが、関西弁だと吝嗇家になる。ハッキリ言えばケチ。)『センテンス・スプリング』だったか『ニュー・タイド』だったかの週刊誌で報じられている通り、はっきり言って家族との旅行や食事の代金を政治資金で賄っていたのだろう。素直に謝ればいいものを、「腐っても東大出」のプライドが許さないのか、我々凡人には思いもつかない言い逃れを考えようと時間稼ぎをしている。昨日くらいからやたらと『精査』という言葉を連発し、お金の使途を説明するつもりでいるらしい。もっとも、凡人であるこちらには、彼の言っている説明が全く理解できない。理解できることと言ったら、『精査』が今年の流行語になるんだろうなと言うことくらいだ。
 宮崎アニメ『天空の城ラピュタ』のワン・シーンも思い出した。悪役のムスカが飛行船から落ちていく兵隊たちを見て「人がゴミのようだ」と笑っていたあのシーンだ。ムスカが舛添とダブる。舛添にも東京都民がゴミのように見えていたことだろう。舛添にあの言葉を聞かせてやりたい。ムスカ退治に使われる、あの有名な「滅びの呪文」を。
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辰之介

Author:辰之介
映画ファン歴40年。
映画やドラマを観る日本人の審美眼を真剣に憂える。

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