『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

 『スター・ウォーズ』がディズニーに移ってからの2作目。
 エピソード7にあたる『フォースの覚醒』でも感じたことだが、新しい『スター・ウォーズ』は、『スター・ウォーズ』を観て育った映画ファンが『スター・ウォーズ愛』を注ぎ込んで作っているということ。JJエイブラムスは1966年生まれの50歳で、まさにドンピシャの小学校高学年で『スター・ウォーズ(1977)』体験をしている。本作の監督ギャレス・エドワーズは1975年生まれの41歳だから追体験ではあるようだが、(1964年生まれの)ボクが『ウルトラマン(1966年放送開始)』を再放送で楽しんだのに近い追体験ではなかろうか。実際、彼は幼少期に観た『スター・ウォーズ』が映画の原体験だと語っているらしい。
 そんな『スター・ウォーズ愛』が随所に感じられる。なんといってもその世界観が素晴らしい。シリーズとしての整合性を第一に優先させて作られている。むしろ、整合性をいかに持たせるかに主眼が置かれている。本作はかねてから喧伝されているように『エピソード4』に直結する話なだけに、約40年前の世界観を再現することに全力が注がれていると言っても過言ではないくらいだ。『エピソード4』を百回以上は観て、各シーンが脳裏に焼き付いている人ならともかく、そうでない人は、本作の鑑賞前に『エピソード4』をもう一度観ておくと、より楽しめるのではなかろうか。

 ここからは一切のネタバレを気にせずに書いてしまうが……、
 すでに鬼籍に入っておられるピーター・カッシングや、すっかりおばあちゃんになってしまったキャリー・フィッシャーが、(たぶん)CGで再現されている。あれは、そっくりさんや代役をCGで矯正したりしたレベルでは、恐らくないと思う。『ターミネーター5』で若いころのシュワルツェネッガーがCGで再現されていたから、あのレベルの技術はすでにあるんだと思う。
 しかし、驚くべきはそれだけではない。
 デススター内部のセット美術から光線銃の小道具はもちろんのこと、画作りやカット割りに至るまで『エピソード4』とのシンクロを試みているのである。驚くべきは、同盟軍の女性議員や、『エピソード4』の冒頭でダースベイダーに首の骨を折られて殺される反乱軍の兵隊、それにR2-D2らを逃がしてしまった罪でダースベイダーのフォースでくびき殺される帝国軍の司令官など、役名が出てこない細かなキャスティングに至るまで、40年前の人々が演じているように作られているのがスゴイ!(あれもCGだったのだろうか?)更には、ジャバ族にとらわれていたドロイドや、モスアイズリー空港の酒場にいた無法者と思しき連中もカメオのように出演してきて、ファンの心をくすぐりまくるのだ。世界中にあふれる『スター・ウォーズ』マニアからしてみればほんのペーペーに過ぎないボクでさえ、たった1回の鑑賞でたくさんの符合に気づいたのだ、この先マニアたちがアップしてくるであろうこの手の情報はどこまでの深部に迫っていくのか、その深まりに期待をしたい。

 前作の『Godzilla』の体たらくや、幹部試写のあと追加撮影を命じられたとかの事前情報で心配していた本作だったが、ギャレス・エドワーズ監督は持ち前の『スター・ウォーズ愛』で、見事に素晴らしい作品に仕上げてくれたと感謝したい。
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辰之介

Author:辰之介
映画ファン歴40年。
映画やドラマを観る日本人の審美眼を真剣に憂える。

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