『カエルの楽園』

 著者は百田尚樹氏。今の出版界を支える大ベストセラー作家にして、「人間のクズ発言」や「沖縄の新聞2紙は潰さないかん」などの真実発言、おっと暴言や放言でも知られる。
 本作は、その百田氏が痛々しいまでに身を削って出版した『意図的な駄作』である。『永遠の0』も『海賊とよばれた男』も、あれほど読まれていながら何も伝わっていない虚無感からこの本を書かれたのであろうとお察しする。ボクは読んでいて痛々しい気持ちしかしなかった。
 大ベストセラー作家の文章についてボクごときが云々するのは烏滸がましいが、敢えてこちらも暴言させてもらえば、『カルの楽園』は小説としての体を成していない。カエルを人に見立てた寓話小説なのだが、分かりやすさに主眼を置くあまり、表現があまりにもストレートすぎるのだ。隠喩や暗喩であるべきところが、そうなっていないのである。帯に『全国民に問う、衝撃の結末。』と書いてあるが、ボクには何のひねりも感じないし、当たり前の結末でしかない。それに、この結末を衝撃ととらえる左巻の連中には、今まで同様どうせ何を言っても響かない。実に痛々しいかぎりだ……。
 ご自身の輝かしいキャリアに汚点を残してまで、こんな駄作を出版しなければと百田氏を追いつめてしまった今の世を憂う。まさか、百田氏、割腹自殺でもする気ではあるまいか? そんな心配をしてしまう作品である。
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辰之介

Author:辰之介
映画ファン歴40年。
映画やドラマを観る日本人の審美眼を真剣に憂える。

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