SEALDsと東アジア若者デモってなんだ!

 今日(3/13)、新宿の歩行者天国で初めて生SEALDsを見た!
 世代のせいもあるだろうが、リーダーの奥田愛基くんの歌うラップが「ショーコー、ショーコー、ショコショコ、ショーコー、アーサーハーラー彰ー晃ーっ!」に聞こえてきたから不思議だ。
 それにしても、大手マスコミが言うことを鵜呑みにしたらいけないんだってことを改めて痛感した。大手新聞やテレビは、あれを1千人とか1万人デモとか書くんだろうけど、取り囲む支援者はせいぜい100人程度。しかも、そのほとんどは白髪かハゲ頭の爺さんばかり。60年、70年安保で不完全燃焼だった爺さんたちが、自分たちの年金を稼いでくれる現役世代を応援しているという構図だ。日曜日の新宿ブラリを楽しむ家族連れや若者たちは、彼らを遠巻きにして素通りしていた。そりゃそうだ。普通に生きていたら修学旅行でもない限り近寄ることのないだろう国会議事堂の前で騒いでいるだけなら害はない。テレビで見ているだけならともかく、いざ生で彼らの主張を聞かされてしまうと、誰もがおかしいと感じるはずだ。何しろ彼らは、「支那が日本に攻めてきたら、可愛い子どもも愛しい恋人も差し出しますから殺して下さい」と歌って踊っているのだ。
 運動会の徒競走でも順位が付かなかった競争嫌いのゆとり世代的発想なのかもしれないが、競争を拒否した『無抵抗』が平和を生み出すのなら、チベットの僧侶たちが虐殺されるはずはなかった。マハトマ・ガンジーが相手にしたのは、落日に向かい始めた大英帝国だったことくらいは認識しておいてほしい。また、ガンジーの無抵抗が大英帝国への対抗手段になり得たのは、その前に『アムリトサルの虐殺』などの尊い犠牲があったことも知っておいてほしい。

 福島香織著『SEALDsと東アジア若者デモってなんだ!』は一読に値する。
 福島氏ご本人の本当の思いまでは知らないが、この本は非常に公平なバランスを保って書かれている。SEALDsの彼らを読み解くのに良いサジェスチョンを得ることが出来る。
 福島氏は、当初、台湾の『ひまわり革命運動』をテーマに本を書こうとしていたらしい。だが、日本では台湾への関心の薄さから需要がなかろうと没になっていた。それが、SEALDsが大手マスコミに祭り上げられたのを機に、彼らを搦めた企画に補正することで日の目を見たとのこと。福島氏はSEALDsの奥田氏にも取材を申し込んだが、取材依頼を数週間も無視された挙げ句に拒否されたとのこと。それでも福島氏は、彼らの素養の高さや頭の良さを認め、彼らなりの愛国心があるという意外性にも気付きつつ、共産党のような既成政党やテレビをはじめとする大手マスコミに消費されないよう、影ながら忠告を投げかけてあげている。

 台湾の『ひまわり革命運動』は、当初の国会占拠こそ半計画的な偶発的暴走だったが、リーダーの林飛帆(りんひはん)や陳為廷(ちんいてい)らが、落としどころも見据えたカリスマ的な統率力を発揮し、既成政党も運動に巻き込んで成功に導いた。何よりも、中国に呑みこまれたくない台湾人のアイデンティティに貫かれた理想的な学生運動だった。
 普通選挙を求めた香港の『雨傘革命運動』は、一国二制度の前提をなし崩しにして香港が支那化されるのに耐えられない若者たちの闘いだった。しかし、地続きのために台湾よりも強い支那の支配下にあるという不利な状況で、圧倒的なリーダーを欠き、落としどころのない要求を掲げてしまい、既成政党の支持も得られないまま不完全燃焼に終わってしまった。
 中国の学生運動は、そもそも中国共産党の圧倒的な力で押さえ込まれている。天安門事件をかすかに記憶している80年代生まれは潜在的な恐れがあって活動できない。事件そのものを全く知らない90年代生まれは暴走しかねない危うさがあるが、一人っ子政策の小皇帝として育てられたせいで、痛いの苦手なもやしっ子ばかり。天安門を何となく記憶している親から止められて結局動けない。
 韓国の学生運動は語る価値なし。そもそもよく知らない。
 読み終わってからしばらく経つので記憶違いがあったらごめんなさいだが、『SEALDsと東アジア若者デモってなんだ!』はおおよそそんな趣旨だった。

 世界史上にも稀な貧富の差を生み出した支那共産党への恐怖が行動の原動力になっている台湾や香港の若者たちと比べ、日本のSEALDsの体たらくである。まるで真逆だ。(そもそもなんで英語表記なんだ! 鼻持ちならない。いかがわしい。)
 フェイスブックのイイネが欲しいのか、ツイッターのフォロワーが欲しいのか知らないが、ラップで目立ちたいだけにしか見えない。仲間内のカラオケで盛り上がってくれている分には害はないが、自分たちが歌っていることのすべてが実現したら、日本というこの国がどうなるか考えてみたことはあるのだろうか? 支那に取り込まれたいのか? 支那の自治区の一つになって、チベットの僧侶たちのように虐殺されたいのか? そうなった時、SEALDsと名乗っていたラップ・グループのメンバーは焼身自殺でもして支那に抗議してくれるのか? 実効的な政策案はなにもないくせに、事実をねじ曲げたレッテル貼りだけが得意な烏合野党に持ち上げられた時点で、己の間違いを悟っていただきたいものだ。『安保法案』が『戦争法案』だって? 君たちが言っていることのほうが、むしろ『戦争誘致法案』なんだよ。

『カエルの楽園』

 著者は百田尚樹氏。今の出版界を支える大ベストセラー作家にして、「人間のクズ発言」や「沖縄の新聞2紙は潰さないかん」などの真実発言、おっと暴言や放言でも知られる。
 本作は、その百田氏が痛々しいまでに身を削って出版した『意図的な駄作』である。『永遠の0』も『海賊とよばれた男』も、あれほど読まれていながら何も伝わっていない虚無感からこの本を書かれたのであろうとお察しする。ボクは読んでいて痛々しい気持ちしかしなかった。
 大ベストセラー作家の文章についてボクごときが云々するのは烏滸がましいが、敢えてこちらも暴言させてもらえば、『カルの楽園』は小説としての体を成していない。カエルを人に見立てた寓話小説なのだが、分かりやすさに主眼を置くあまり、表現があまりにもストレートすぎるのだ。隠喩や暗喩であるべきところが、そうなっていないのである。帯に『全国民に問う、衝撃の結末。』と書いてあるが、ボクには何のひねりも感じないし、当たり前の結末でしかない。それに、この結末を衝撃ととらえる左巻の連中には、今まで同様どうせ何を言っても響かない。実に痛々しいかぎりだ……。
 ご自身の輝かしいキャリアに汚点を残してまで、こんな駄作を出版しなければと百田氏を追いつめてしまった今の世を憂う。まさか、百田氏、割腹自殺でもする気ではあるまいか? そんな心配をしてしまう作品である。

『習近平暗殺計画』

 つまらない本を買ってしまった。本屋で手に取ることもなく、新聞の広告文句に釣られ、アマゾンでポチッとやってしまった。後悔しきりである。冒頭の数章、中を所々つまんで数十ページ、こんだけ読んでお終いだ。税込1728円。あぁ、もったいない!
 筆者(加藤隆則氏)は、本書のために読売新聞を退社した人物。10年間を北京特派員として過ごたらしい。帰国間際、タイトルにある暗殺計画があったことをスクープしたにも関わらず、掲載を拒否され、辞表を提出し、その記事を『文藝春秋』に載せてもらったとのこと。そんな経緯を囁かれると、タイトルも含めて読んでみたくなるのが人情だ。まんまと騙された。
 まぁ、ご本人が主張するように『世紀のスクープ』なのだろう。あまりのスクープに怖気づいて自主規制してしまう大手新聞社やマスコミは腰抜けなのだろう。ご本人が否定しているように、大手マスコミの抱える問題を暴露しているわけでも、己の自慢だけでもないのでしょう。はい、はい、御説ご尤もでございます。

 日本人は世界で唯一の性善説に依って立つ民族だ。旅行で行っただけでもそうなのに、仕事や留学で暮らしたりなんかしてしまうと、その土地を好きになってしまう。その土地の良いところばかりを見てしまう。東郷和彦のような外交官はその典型だ。
 しかし、外交官もジャーナリストも、日本人なら日本の国益にかなう仕事をしてほしい。しかし、『国益』などという言葉を口にすると、すぐに「戦争をする気か!」と頭に血を上らせる左巻きな御仁が矢鱈めったら多いから始末に負えない。国益を追求したぶつかり合いの果てに戦争があるという論理らしいが、しかし、どこの国の外交官も特派員も、自分の国のため、母国の家族や同胞のために仕事をしているのである。どうして日本人だけが、それをやると戦争になるのか?
 すべての国の国民が、性善説の日本人のように、平和を愛し公正と信義の信頼を寄せられる国民であれば問題はない。しかし、世界は性悪説で出来ているのである。ギリギリの折衝が必要になる交渉の場は、特に性悪説の独壇場だ。お人好しの日本人は性善説でいるせいで、支那や朝鮮からさんざ煮え湯を飲まされてきたではないか。
 そんな当然の認識を、大手新聞社に辞表を叩きつけたジャーナリストは見失っている。すっかりパンダ・ハガー(パンダを抱く者=親中派)になっているのだ。確かに、ボクは中国に暮らしたことはない(仕事でトータル1週間くらいいたことはある)。もちろん、中国語なんか喋れない。もっとも「ニーハオ」や「シェイシェイ」さえも、ちょっと地方に行ったら通じないような中国語(標準語)など、使えたところで無駄ではないかとさえ思う今日この頃である。それに、傍目八目という言葉もある。傍から見ているほうが良く分かることもある。
 個人的なことになるが、とある知りあいのお嬢さんが最近婚約したのだけれど、その彼氏というのがどうもパンダ・ハガーのようで心配なのだ。その彼氏も紹介していただいたのだが、その彼は嫉妬する気も起らないほどのイケメンで、背も高く、地方ではあるが某国立大学を主席に近い成績で卒業し、とある総合商社に就職が決まっている。で、在学中に1年間だったか2年間だったか上海に留学していて、何語か分からないが中国語が堪能らしい。だから、就職したらおそらく上海支社に行くことになりそうだと言うのだ! 上海と言えば、昨年の8月に化学大爆発があった、あの天津に近い。そもそも、上海どころか支那という国そのものが、ヘタをすれば年内にも内乱が起こるんじゃないかと、(希望的)予測をしているボクとしては、そんな所に新婚の彼女を送り出したくないのである。しかも、しかも、輪をかけてボクを不安にさせるのは、パンダ・ハガー彼氏の支那認識が歪きわまりないのだ! 思わず我が耳を疑ってしまったのだが、その彼氏曰く、
「中国は世界一貧富の格差がない国です」
 なのだそうである!
 経済音痴のボクには、ジニ係数がどうのと難しい理論や理屈は語れないが、そんなボクでも知っている。共産党一党独裁の共産主義国家の支那ほど貧富の格差が激しい国はない!
 彼こそは、ボクが目の当たりにしたリアル・パンダ・ハガーであった。彼女の結婚を祝福してあげたいという思いは強いのに、心配で心配で心配で仕方がないのである。

 本書を全部読み切る気力はない。ざっと目を通した感じでは、パンダ・ハガーに過ぎない自称支那通ジャーナリストによる支那擁護論のように思えてならない。著者・加藤氏の言葉の端々に、「集金兵」失礼、習近平へのリスペクトを感じてしまうのである。読んでいて、何とも薄気味の悪い違和感がある。確かに、この著者が支那に向かった10年前と今とでは、日本の対支那感情が激変しているのだから、浦島太郎としては元に戻りたいと思う気持ちも分からないではないのだが……。

 ついでになってしまって申し訳ないが、もう一冊、最近途中読みで止めてしまった本がある。遠藤誉氏の『毛沢東 日本軍と共謀した男』である。
 遠藤女史は、1941年の中国生まれ。国共内戦を経験して53年に帰国したとのこと。毛沢東の生い立ちから読み解き、毛が犯した数々の悪行を紹介しているのだが……、遠藤女史がその知識を得たのは、蒋介石のお陰というのが結論なのである。片一方の大嘘吐きのお陰でもう片方の大嘘には気付いたが、そもそもの大嘘吐きの大嘘には気付いていないのである。もう、ほとほとナンマイダなのである。
プロフィール

辰之介

Author:辰之介
映画ファン歴40年。
映画やドラマを観る日本人の審美眼を真剣に憂える。

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