『キングコング髑髏島の巨神』

 南太平洋で発見された髑髏島を探検するため、米軍の全面バックアップの下、調査団が島へ向かう。ヘリで編隊を組んで飛んで行くのだが、その時の甲板作業員が見ものだ。ヘリが空母の甲板から離陸するとき、甲板作業員がヘリが飛んでいく方角に向かって足を大きく一歩前に踏み出し、ビシッと指をさし示すのだ。この作業員の姿が、アップと引き画を含め3カットくらい重ねられている。
 実はあの甲板作業員のポーズ、支那の観客を呼び込むためのサービス・カットである。あのポーズが格好良いと、支那では子どもたちに大人気なのだ。あのポーズを真似する子どもたちの写真が微博(ウェイボー)を賑わせているらしい。国威発揚のニュース映像で、支那初の空母「遼寧」から戦闘機が発進するときの様子として紹介され、人気になったらしい。
 この映画は、支那に買収されたレジェンダリー・フィルムの製作である。チャイナ・マネーにはさり気なさというのが微塵もない。資本主義の悪いところだけを濃縮したのがチャイナ・マネーだから、常に厚かましくどこまでも自己主張してくる。歴史の改ざんも気にしない。ベトナム戦争終結の翌日という時代設定なのに、怪しげな支那人女優がキャスティングされていて、米軍と一緒に極秘任務についていたりする。支那と言えば、ベトナム軍の背後でロシアと手を組みアメリカと戦っていた敵ではないか。そのちょっと前には、朝鮮戦争でも北朝鮮軍の裏にいたし。チャイナ・マネーの格言に「腹がへった人はパンを与えてくれる人の言いなりになる」というのがあるが、まさにその通りのありさまだ。
 ま、映画の中身は、推して知るべしと言った程度の出来でした。
 ところで、あの甲板作業員のポーズって、ボクは軍事には詳しくないので勘繰りだけかもしれないけど、垂直離陸するヘリの発進時にもするんだろうか? ジェット戦闘機がカタパルト発進するときのポーズなんじゃないかなと思ったりする。ま、どうでもいいんだけど。

 改めて思うのは、ディズニーは立派だなぁということ。
 組んでいるマーベルの優秀さもあるとは思うが、マーベル・ヒーローたちが共演するアメコミ・シリーズを大当たりさせた。本家のルーカスをうまい具合に排除して、ファンも納得できる形で『スター・ウォーズ』シリーズをリブートさせた。そのスピンオフ企画も順調だ。インディー・ジョーンズ企画も動き出したらしい。
 そんなディズニーの成功を真似て、レジェンダリー・フィルムは怪獣モノの共演シリーズを企画しているんだとか。言うまでもなく、レジェンダリーはリブート版のハリウッド『ゴジラ』を作った所なわけだが、今後、配給のワーナーと一緒に『ゴジラ2』や『ゴジラ対キングコング』などへと発展させていく計画なんだとか。
 ワーナーと言えばバットマンやスーパーマンなど、DCヒーローたちの共演モノの企画も進めているんだけど、『バットマンVSスーパーマン』とか『スーサイド・スクワッド』なんかの体たらくを見ていると、なんだかとっても先行きが心配なのだ。怪獣モノもアメコミ・ヒーローも好きだからもうちょっと付き合おうとは思うけど……。

『SING シング』

 『ミニオンズ』のイルミネーション・エンターテインメントによるユニバーサル映画系の3DCGアニメ。
 こちらは英語版で観ることができた。
 子だくさん主婦のブタをリース・ウィザースプーン、ダメ彼氏にフラれたヤマアラシをスカーレット・ヨハンソン、窃盗団の息子ゴリラをタロン・エガートン、内気であがり症のゾウをトリー・ケリー、劇場支配人のコアラをマシュー・マコノヒーが演じる。知らない人もいるけど、ブタリース・ウィザースプーンやスカヨハなど、知っている女優さんたちの歌のうまさには驚きました。
 キャラクターの作り方は、見た目の印象のみ。ブタが軽快に踊ったら面白いだろう、不良イメージのロッカーは針でトゲトゲしているからヤマアラシ、腕力の強い暴力キャラはゴリラといった塩梅。内気なゾウはスーザン・ボイルのイメージなんだろうな。
 もっとも、支配人のコアラは、なぜコアラなのかが分からない。一応、車洗いのモフモフというキャラが載ってはいるが、コアラでなくてもモフモフした動物はいくらでもいるしな。コアラは可愛いからっていう理由なんだろうか。でも、よく見るとコアラってあんまり可愛くなんだけどなぁ……。
 分かり易さ最優先で意外性を排除しているのは、全くの子ども向けということか。もうちょっとヒネリがあっても良かったと思う。ガラガラ声のトラが、それでも歌が好きで練習しているうちにハスキーボイスを生かした歌で認められるとか。
 そういえば、ピクサーがまだ映画製作のプロダクションとして機能していたころは、『ファインディング・ニモ』という作品があり、カクレクマノミのニモは、生まれつきの障害(片ヒレが小さい)で泳ぎが下手という枷がついていたっけ。だからこそ、あの作品は大人の鑑賞にも耐えられる作品になり得たのだ。

『モアナと伝説の海』

 テレビゲームやらないから想像なんだけど、たぶんRPG(ロール・プレイング・ゲーム)ってこんな感じなんだろうなと思う。仲間見つけて、秘密のアイテムを使って敵と戦い、最後はラスボスと対決。映画がヒットしたら、1面クリアでパート2に続く。
 冒険物語って大体そんなもんでしょと言われればそれまでなんだけど、なんだか定型パターンにはまりすぎていて、なんだかなぁって感じだった。
 吹き替え版しか上映していなかった。英語版で観たかったな。

『ラ・ラ・ランド』

 もっと楽しい作品を期待していた。
 ミュージカルだし、タイトルからして歌ってるし。たとえば『シカゴ』みたいな陽気さを想像し、期待していた。
 でも、それは、この作品を否定するとか、出来が悪いとか言うのとは違う。単にボクの思い込みと違っていただけというだけの話。実際、終わりの数分間はホロッと泣けてきた。
 ただ、全編がもうちょっと楽しければ、ボロッと泣けたに違いないとも思った。
 もしかしたらアカデミー作品賞をとるかもしれない本作、一見の価値はあります。


 あ、そうそう。
 預けていた車を受けだそうとして、車種を聞かれたヒロインが「(トヨタの)プリウス」と答えると、駐車してある車のキーが全部トヨタだったというシーンがあった。
 トランプ新大統領は、ああいうシーンを見て怒ってるのかなぁ?
 でも、アメリカで走っているトヨタ車は70%がアメリカの現地生産で、しかもアメリカに推計150万人の雇用を生み出してるんだそうで。

『マグニフィセント・セブン』

 黒澤明の『七人の侍(1954)』に惚れ込んだユル・ブリンナーが製作に大きく関わり、西部劇でリメイクしたのが『荒野の七人(The Magnificent Seven 1960)』。
 2016年版の本作は、リメイクとかを謳わなくても、最悪許可を取らなくても、ギリギリ叱られないレベルの作品でした。
プロフィール

辰之介

Author:辰之介
映画ファン歴40年。
映画やドラマを観る日本人の審美眼を真剣に憂える。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる